JR東海・JR西日本・JR九州は、東海道・山陽新幹線を運行する16両編成の列車について、車内デッキ部に整備した荷物置場を利用できる特定の指定席「特大荷物コーナーつき座席」を新たに設定します。
最後部座席の「特大荷物スペース」と併用
訪日インバウンド旅行者など、新幹線車内に大きな荷物を持ち込む利用者が増加していることに備えたものです。東海道・山陽・九州新幹線では、3辺の合計が160cmを超える荷物を「特大荷物」と定義し、指定の荷物置場と指定席をセットで確保できる事前予約制が導入されています。
2020年5月から第一段階として、客室内の最後部座席と、すぐ後方部にある既存のスペースをセットで予約する「特大荷物スペースつき座席」が発売されています。2022年9月23日に開業した西九州新幹線でも同様の取り扱いが行われています。
これと並行して、車内のデッキ部にある一部の洗面所に「特大荷物コーナー」を整備する工事が進められました。1車両に2か所ある洗面所のうち1か所を改造して作られた同コーナーは予約制で、上下2段に特大荷物を1個ずつ格納できます。座席から離れた場所にあることから、盗難防止のため、ICカードを用いた施錠機能も備わっています(新幹線「特大荷物スペースつき座席」「特大荷物コーナーつき座席」の設置イメージなど詳細は下の図表を参照)。
予約せずに特大荷物を持ち込むと…
16両編成の「N700」「N700A」「N700S」各編成はコーナー整備のめどが付いたことから、2023年5月24日(水)乗車分の列車から「特大荷物コーナーつき座席」の予約ができるようになります。対象は東京駅〜博多駅間を運行する16両編成の「のぞみ」「ひかり」「こだま」で、1編成あたり5か所のコーナーが設置され、最大10席とセットで発売されます。
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「特大荷物コーナーつき座席」を予約すると、座席と同じ号車にある最寄りのデッキにあるコーナーを利用することができます。他の座席の指定席料金と同額で、追加料金はかからない点は「特大荷物スペースつき座席」と同様です。「エクスプレス予約」「e5489」などのインターネット予約のほか、駅の券売機や窓口でも指定して購入することができます。
「特大荷物コーナー」に格納できる荷物の大きさには制限があり、収まらない特大荷物をお持ちの場合は「特大荷物スペースつき座席」を利用することになります。いずれの座席も予約せずに特大荷物を車内に持ち込んだ場合、1,000円の手数料徴収の対象となり、乗務員が指定する箇所に荷物を格納する必要があります。
JR東海は、現在の特大荷物の利用状況に対して十分な荷物置場の数を用意できるとしていますが、列車によっては混み合う場合もあるため、早めの予約を呼びかけています。なお、山陽・九州新幹線で運行している8両編成の列車についても「特大荷物コーナー」の整備が進められており、サービスを後日開始する予定とのことです。
JR東日本を中心とした東北・北海道・新潟・北陸方面の新幹線網では、ほぼすべての編成の客室内やデッキに荷物置場が整備されています。利用は予約不要の先着順で、特大荷物に対する特別な取り扱いは定められておらず、JR東海などと対応方針が分かれています。